今回のテーマは、「自社株の株主区分」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)《問48》

《問48》 非上場会社であるX株式会社(以下、「X社」という)の同族関係者であるA~Fの所有株式数等は、下記のとおりである。D、E、Fがそれぞれ中心的な同族株主に該当するか否かの判定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、発行済株式総数は100株であり、X社株式はすべて議決権を有する普通株式である。

1) D、E、Fは、いずれも中心的な同族株主に該当する。
2) DおよびEは中心的な同族株主に該当し、Fは中心的な同族株主に該当しない。
3) EおよびFは中心的な同族株主に該当し、Dは中心的な同族株主に該当しない。
4) DおよびFは中心的な同族株主に該当し、Eは中心的な同族株主に該当しない。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)

正解:2

それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

中心的な同族株主とは、「本人配偶者直系血族兄弟姉妹1親等の姻族」の有する議決権の合計数の割合25%以上となる株主をいう。

発行済株式総数は100株であり、X社株式はすべて議決権を有する普通株式である。
したがって、100株×25%=25株が判定基準となる。

① Dは中心的な同族株主に該当する。
Dから見ると、中心的な株主の判定に入る株主は、D本人、C、E、Aの4人である。
議決権の合計数の割合は、「15株+15株+5株+30株=65株」で65%となり、25%以上であるため、Dは中心的な同族株主に該当する。

② Eは中心的な同族株主に該当する。
Eから見ると、中心的な株主の判定に入る株主は、E本人、D、Cの3人である。
議決権の合計数の割合は、「5株+15株+15株=35株」で35%となり、25%以上であるため、Eは中心的な同族株主に該当する。

③ Fは中心的な同族株主に該当しない。
Fから見ると、中心的な株主の判定に入る株主は、F本人、Cの2人である。
議決権の合計数の割合は、「15株+5株=20株」で20%となり、25%以下であるため、Fは中心的な同族株主に該当しない。