今回のテーマは、「所得税の生命保険料控除」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)《問12》

《問12》 所得税の生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) 少額短期保険業者と締結した少額短期保険について、契約者(=保険料負担者)が被保険者、死亡保険金受取人が配偶者である少額短期保険の保険料は、一般の生命保険料控除の対象となる。
2) 自動振替貸付により生命保険料控除の対象となる終身保険の保険料の払込みに充当した金額は、充当した年分の一般の生命保険料控除の対象となる。
3) 悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中により所定の状態に該当した場合に、生前に死亡保険金と同額の特定疾病保険金を受け取ることができる特定疾病保障定期保険の保険料は、介護医療保険料控除の対象となる。
4) 2023年中に加入した生命保険料控除の対象となる終身保険について、保険料払込期間の全期間の保険料を前納した場合、当該保険料の全額が2023年分の一般の生命保険料控除の対象となる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)

正解:2

それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

なお、本テーマはこれまでにも取り上げている。

FPトピックス(生命保険と税金)

1 誤り。

少額短期保険の保険料は、生命保険料控除の対象外である。

2 正しい。

自動振替貸付により生命保険料控除の対象となる終身保険の保険料の払込みに充当した金額は、充当した年分の一般の生命保険料控除の対象となる

3 誤り。

生前保険金額と死亡保険金額が同額となる特定疾病保障定期保険の保険料は、一般の生命保険料控除対象となる

4 誤り。

前納保険料は、下記の算式で計算した金額が、生命保険料控除対象となる

生命保険料控除の対象となる前納保険料

$$前納保険料×\frac{その年中に到来する払込期日の回数}{前納した払込期日の総回数}$$