今回のテーマは、「生命保険契約の各種手続等」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)《問11》

《問11》 生命保険契約の各種手続等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) 被保険者が死亡し、死亡保険金受取人が死亡保険金の請求をした場合、一般に、保険会社に請求書類が到着した日の翌日から10営業日以内に死亡保険金が支払われることとされている。
2) 契約者(=保険料負担者)は、遺言によって死亡保険金受取人を変更することができるが、その変更を保険会社に対抗するためには、相続発生後、契約者(=保険料負担者)の相続人が保険会社にその旨を通知する必要がある。
3) 個人年金保険料税制適格特約が付加されていない定額個人年金保険において、基本年金年額の減額を行い返戻金が発生した場合、返戻金は払い戻されず、所定の利息をつけて積み立てられ、年金開始日に増額年金の買い増しに充てられる。
4) 加入している生命保険契約を払済保険に変更する場合、被保険者は改めて健康状態等についての告知または医師の診査を受ける必要がある。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)

正解:2

それでは、各肢を検討していこう。

なお、本テーマについては、これまでにも取り上げている。

FP1級の過去問を解こう(2023年1月)「個人年金保険に係る税金」

1 誤り。

生命保険会社は約款で、保険金の支払期限を定めている。約款の規定は各社で異なるため、個別に確認が必要である。一般には、必要書類(必要事項が完備)が生命保険会社に着いた日の翌日(翌営業日)から起算して、原則5営業日以内に死亡保険金が支払われることとされている。

2 正しい。

保険法の規定により、遺言による保険金受取人の変更も可能であるが、その遺言が効力を生じた後に、契約者の相続人が、その旨を保険会社に通知しなければ保険会社に対抗することができない

3 誤り。

減額とは、保険金額を減らし、以降の保険料負担を少なくする方法である。減額部分は一部解約したものとして取り扱い、その部分の解約返戻金があれば払い戻す

なお、個人年金保険料税制適格特約が付加された定額個人年金保険の基本年金を減額した場合、一般に減額した基本年金額に該当する解約返戻金が払い戻されることはなく将来受け取る年金として積み立てられる

4 誤り。

継続的に保険料を払えない見込みであるときに、加入している生命保険契約を払済保険に変更する場合、被保険者は改めて健康状態等についての告知または医師の診査を受ける必要はない