今回のテーマは、「6つの係数」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)《問1》

《問1》 Aさん(45歳)は、65歳から10年間にわたって毎年1,000千円を受け取るために、65歳までの20年間、年金原資を毎年均等に積み立てることを考えている。この場合、45歳から65歳までの20年間の毎年の積立額として、次のうち最も適切なものはどれか。
なお、積立期間および取崩期間中の運用利回り(複利)は年3%とし、積立ておよび取崩しは年1回行うものとする。また、下記の係数表を利用して算出し、計算結果は千円未満を切り捨て、手数料や税金等は考慮しないものとする。

〈年3%の各種係数〉

終価係数現価係数年金終価係数減債基金係数年金現価係数資本回収係数
10年1.3439 0.744111.46390.08728.53020.1172
20年1.80610.553726.87040.037214.87750.0672
30年2.42730.412047.57540.021019.60040.0510


1) 317千円
2) 372千円
3) 412千円
4) 435千円

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)

正解:1

本テーマについては、これまでにも取り上げている。

6つの係数

終価係数 現在の額を一定の利率で運用した場合の将来の額を求める。

現価係数 将来の必要金額を得るために、一定の利率で運用する場合の現在の必要金額を求める。

年金終価係数 毎年の積立額から将来の積立合計額を求める。

減債基金係数 目標額を貯めるために必要な毎年の積立額を求める。

年金現価係数 目標の年金額を受け取るために必要な年金原資を求める。

資本回収係数 保有資金額を毎年の年金として受け取れる額を求める。

6つの係数の逆数

一時金運用の将来&現在を計算 終価係数&現価係数

積立て運用の将来&現在を計算 年金終価係数&減債基金係数

取崩し運用の将来&現在を計算 資本回収係数&年金現価係数

それぞれ、逆数(1÷他方の係数)となっており、片方の係数がわからないときは、

知りたい金額 = もとになる金額÷逆数となる係数

として使う。

それでは、問題を検討していこう。

まず、目標の年金額を受け取るために必要な年金原資を求める。

必要な年金原資 = 毎年の受取年金額 × 年金現価係数

1,000,000円 × 8.5302 = 8,530,200円

次に、20年間年利3%で複利運用しながら、目標額を積立てる場合に、必要な毎年の積立額を求める。

毎年の積立必要額 = 将来の目標金額 × 減債基金係数

8,530,200円 × 0.0372 = 317,323.44・・ → 317千円(千円未満切捨て)