今回のテーマは、「先物取引」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)問21
《問21》 わが国の先物取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 先物取引の立会時間は、日中立会と夜間立会(ナイト・セッション)があり、どちらの立会時間も、板寄せ方式やザラバ方式による取引が行われている。
2) TOPIX先物(ラージ)は、TOPIX(東証株価指数)の1万倍の金額が最低取引単位(1枚)とされ、日経225先物(ラージ)は、日経平均株価の1,000倍の金額が最低取引単位(1枚)とされている。
3) 株価指数先物取引には、TOPIX先物や日経225先物のほか、JPX日経インデックス400先物、NYダウ先物があり、いずれも大阪取引所に上場している。
4) 株価指数先物取引の取引最終日は、原則として、各限月の第1金曜日(SQ日)の前営業日となり、取引最終日までに反対売買で決済されなかった建玉は、最終清算数値(SQ値)により決済される。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施
それでは、各肢を検討していこう。
なお、本テーマについては、これまでにも取り上げている。↓
FP1級の過去問を解こう(2023年1月)「デリバティブを活用したリスクヘッジ」
1 正しい。
先物取引の立会時間は、日中立会と夜間立会(ナイト・セッション)があり、どちらの立会時間も、板寄せ方式やザラバ方式による取引が行われている。
板寄せ方式
板寄せ方式とは、売買立会の始めの約定値段(始値)や売買立会終了時における約定値段等を決定する場合に行われる売買契約締結の方法をいう。
この方式は、約定値段決定前の呼値(注文)をすべて注文控え(板)に記載したうえで価格的に優先順位の高いものから対当させながら(価格優先原則)、数量的に合致する値段を求め、その値段を単一の約定値段として売買契約を締結させる方法である。
ザラバ方式
ザラバ方式は、始値が決定された後に、売買立会時間中継続して個別に行われる売買契約の締結方法です。ザラバとは、始値と終値との間に行われる継続売買のことをいう。
ザラバ方式の売買では、価格優先原則と時間優先原則に基づき、連続的に売買が成立していく。
(参考)日本取引所Webサイト
2 正しい。
TOPIX先物(ラージ)は、TOPIX(東証株価指数)の1万倍の金額が最低取引単位(1枚)とされ、日経225先物(ラージ)は、日経平均株価の1,000倍の金額が最低取引単位(1枚)とされている。
日経225先物取引には「ラージ」、「ミニ」、「マイクロ」がある。主な違いは取引単位で、ラージの場合は「日経平均株価指数×1,000倍」、ミニの場合は「日経平均株価指数×100倍」、マイクロの場合は「日経平均株価指数×10倍」での取引となる。
(参考)マネックス証券のWebサイト
3 正しい。
株価指数先物取引には、TOPIX先物や日経225先物のほか、JPX日経インデックス400先物、NYダウ先物があり、いずれも大阪取引所に上場している。
4 誤り。
取引最終日は、原則として、各限月の第2金曜日(SQ日)の前営業日である。
そして、取引最終日までに反対売買で決済されなかった建玉は、翌営業日に清算価格(SQ:特別清算指数)により自動的に清算が行われる。