今回のテーマは、「株価指数等」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)問題19

《問19》 株価指数等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) 日経平均株価は、構成銘柄の株価を株価換算係数で調整した合計金額を除数で割って算出した修正平均型の株価指標であり、株式分割や構成銘柄の入替え等があった場合、除数の値を修正することで連続性・継続性を維持している。
2) TOPIX(東証株価指数)については、フロア調整に係るウエイト基準日における浮動株時価総額ウエイトが下限を下回る銘柄は、ウエイトを調整するためのフロア調整係数が設定される。
3) JPX日経インデックス400は、東京証券取引所のプライム市場に上場する内国普通株式銘柄のうち、時価総額、売買代金、ROE等を基に選定された400銘柄を対象とし、基準値を10,000とした時価総額加重型の株価指数である。
4) 東証REIT指数は、東京証券取引所に上場しているREITおよびインフラファンドを対象とし、基準値を1,000とした時価総額加重型の指数である。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)

正解:1

それでは、各肢を検討していこう。
2023年5月実施の問題は、2022年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

1) 正しい。

日経平均株価とは
日経平均、日経225とも呼ばれる日本の株式市場を代表する株価指数。各構成銘柄の株価に「株価換算係数」を乗じて「採用株価」とし、それらを合計したものを指数の連続性を維持するために調整された「除数」で割って求める。

(参考)野村証券のウエブサイト

2) 誤り。

TOPIX(東証株価指数)は「浮動株時価総額加重型」という方式で算出され、浮動株の時価総額の大きさに応じて構成割合が決められています。

この「浮動株」とは、株式市場で売買される可能性が高いと考えられる株式のことを意味し、市場で売買される可能性が低い株式(大株主の保有株など)を除いて、構成銘柄の流動性に着目した仕組みで算出されています。

日本取引所グループのウエブサイトより

キャップ調整に係るウエイト基準日における浮動株時価総額ウエイトが上限を超える銘柄については、10月最終営業日にウエイトを調整するためのキャップ調整係数を設定する。

(参考)株式会社JPX総研 資料

キャップ調整比率は、ウエート(構成比率)が一定の水準(「キャップ水準」)を超えた銘柄のウエートを一時的に引き下げるための数のこと。

3) 誤り。

JPX日経インデックス400とは
東証のプライム市場、スタンダード市場、グロース市場を主市場とする普通株式を対象として、ROEや営業利益等の指標等により選定された400銘柄で構成される。

(参考)日本取引所グループのウエブサイト

4) 誤り。

東証REIT指数とは
東京証券取引所に上場している不動産投資信託(REIT)全銘柄を対象とした時価総額加重平均型の指数。
2003年3月末の時価総額を1000として指数化したもので、東証が算出している。
国内REITの代表的指数で、多くのETF、投資信託がベンチマークとして採用している。

(参考)三井住友DSアセットマネジメント株式会社のウエブサイト