「FP」とは、元々は「ファイナンシャル・プランナー」を指すが、本ブログでは、ファイナンシャル・プランニング技能検定に合格したファイナンシャル・プランニング技能士を指すものとする。

今回のテーマは、「法定相続情報証明制度」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年1月22日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年1月22日実施)問43

《問43》 法定相続情報証明制度(以下、「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 相続人が登記所において本制度による所定の申出をすることにより、登記官によって法定相続情報一覧図が作成され、その写しの交付を受けることができる。
2) 本制度は、相続財産が預貯金のみであるときなど、被相続人名義の不動産がない場合でも利用することができる。
3) 被相続人(代襲相続がある場合には、被代襲者を含む)の出生時からの戸籍および除かれた戸籍の謄本または全部事項証明書を添付することができない場合は、本制度を利用することができない。
4) 申出をする登記所は、被相続人の本籍地、被相続人の最後の住所地、申出人の住所地、被相続人名義の不動産の所在地を管轄する登記所のいずれかを選択することができる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年1月22日実施)

正解:1

それでは、各肢を検討していこう。なお、法令等は、2022年10月1日現在で施行されているものに基づくものとする。

1 誤り。

法定相続情報証明制度
相続人が登記所に対し,以下の書類をはじめとする必要書類を提出

  1. 被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍関係の書類等
  2. 上記1.の記載に基づく法定相続情報一覧図(被相続人の氏名,最後の住所,最後の本籍,生年月日及び死亡年月日並びに相続人の氏名,住所,生年月日及び続柄の情報)
    登記官が上記の内容を確認し,認証文付きの法定相続情報一覧図の写しを交付

参考)~法定相続情報証明制度について~ 法務省民事局

したがって、登記官によって法定相続情報一覧図が作成されるのではなく、相続人等が作成する

2 正しい。

本制度は,被相続人名義の不動産がない場合(例えば,遺産が銀行預金のみの場合)でも利用することが可能

参考)~法定相続情報証明制度について~ 法務省民事局

3 正しい。

肢1の解説にあるように、「被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍関係の書類等」は必要書類である。したがって、添付することができない場合は、本制度を利用することができない。

4 正しい。

申出をすることができる登記所は,次の地を管轄する(注)登記所のいずれか
① 被相続人の本籍地
② 被相続人の最後の住所地
③ 申出人の住所地
④ 被相続人名義の不動産の所在地
申出は,郵送によることも可能 
(注)不動産登記の管轄区域による

参考)~法定相続情報証明制度について~ 法務省民事局