今回のテーマは、「教育一般貸付(国の教育ローン)」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年1月22日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年1月22日実施)問8

《問8》 日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 教育一般貸付の申込みにあたって、申込者の世帯で扶養している子が1人の場合、原則として世帯年収が790万円以下であることが要件となるが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて世帯の収入が減少したときは、世帯年収の上限額は990万円となる。
2) 教育一般貸付の対象となる学校は、原則として、修業年限が6カ月以上の大学、大学院、専修学校、高等学校、高等専門学校等であるが、インターナショナルスクール等の各種学校や職業能力開発校は対象とならない。
3) 教育一般貸付の資金使途は、対象となる学校の入学金、授業料だけでなく、受験料や受験時の交通費・宿泊費、在学のために必要となる住居費用、学生の国民年金保険料等が認められている。
4) 国の高等教育の修学支援新制度は、給付型奨学金の支給と授業料・入学金の免除または減額(授業料等減免)の2つの支援からなり、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生・生徒が支援の対象となる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年1月22日実施)

正解:2

それでは、各肢を検討していこう。なお、法令等は、2022年10月1日現在で施行されているものに基づくものとする。

1 正しい。

教育一般貸付には、扶養している子どもの人数に応じた一定の年収要件がある。

子どもの数世帯年収(所得)の上限額
1人790万円(600万円)下記の要件に1つでも該当する人
990万円(790万円)
2人890万円(690万円)
3人990万円(790万円)
4人1,090万円(890万円)
5人1,190万円(990万円)
事業所得者は( )内の金額。
世帯年収(所得)には、世帯主のほか、配偶者等の収入(所得)も含まれる。

子どもが2人以内の場合、以下の要件のいずれか一つに該当する場合、990万円(790万円)まで上限額が緩和されます。

1. 勤続(営業)年数が3年未満
2. 居住年数が1年未満
3. 世帯のいずれかの方が自宅外通学(予定)者
4. 借入申込人またはその配偶者が単身赴任
5. 今回の融資が海外留学資金
6. 借入申込人の年収(所得)に占める借入金返済の負担率が30%超 
7. ご親族などに「要介護(要支援)認定」を受けている人がおり、その介護に関する費用を負担
8. 大規模な災害により被災された人
9. 新型コロナウイルス感染症の影響を受けて世帯の収入または所得が減少した人

日本政策金融公庫のホームページより

2 誤り。

融資の対象となる学校
修業年限が3ヵ月以上で、中学校卒業以上の方を対象とする次の教育施設です。

大学、大学院(法科大学院など専門職大学院を含みます。)、短期大学
専修学校、各種学校(予備校、デザイン学校など)
高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部
外国の高等学校、短期大学、大学、大学院、語学学校など
その他職業能力開発校などの教育施設

日本政策金融公庫のホームページより

したがって、各種学校や職業能力開発校も対象となる。

3 正しい。

使いみち

学校納付金以外にも幅広くご利用いただけます。

  • 学校納付金(入学金、授業料、施設設備費など)
  • 受験費用(受験料、受験時の交通費・宿泊費など)
  • 在学のため必要となる住居費用(アパート・マンションの敷金・家賃など)
  • 教科書代、教材費、パソコン購入費、通学費用、修学旅行費用、学生の国民年金保険料など
  • ご融資金にかかる保証料
日本政策金融公庫のホームページより

4 正しい。

国の高等教育の修学支援制度の対象者は、住民税非課税世帯、およびそれに準ずる世帯である。
支援額(授業料等減免額の上限 + 給付型奨学金の給付額)は、学生等本人およびその生計維持者の所得(合計額)、大学等の種別、本人の居住形態(自宅または自宅外)、などによって定められている。