今回は、「確定拠出年金」を取り上げる。過去問で問われた内容を中心にみていこう。

確定拠出年金とは

確定拠出年金とは、掛金額(拠出額)はあらかじめ決まっているものの、将来の給付額が運用実績によって変動する年金である。個人が掛金を拠出する個人型年金(iDeco)と、企業が企業年金として導入する企業型年金がある。

個人型年金(iDeco)企業型年金
運営国民年金基金連合会企業
加入対象者・国民年金の第1号被保険者(任意加入被保険者を含む)
65歳未満の厚生年金保険の被保険者(国民年金の第2号被保険者)
・国民年金の第3号保険者
企業型年金を実施する企業に勤務する70歳未満の厚生年金保険の被保険者
掛金の拠出拠出者・加入者本人(中小事業主が上乗せ可)事業主
規約で定めれば、加入者本人も拠出できる(マッチング拠出)が、事業主掛金額以下で、合計は拠出限度額以下。
限度額・国民年金第1号被保険者※
年額81万6000円
月額6万8000円
・企業年金がない厚生年金被保険者、国民年金第3号被保険者
年額27万6000円
(月額2万3000円)
・他の企業年金がある場合
年額33万円
(月額2万7500円)
・ない場合
年額66万円
(月額5万5000円)
確定拠出年金の概要(2022年4月現在)
  • 国民年金第1号被保険者は、付加保険料または国民年金基金の保険料も含めて年額81万6000円が限度額となる。※
  • 老齢給付の年金は公的年金等の雑所得として公的年金等控除の対象。一時金として受給した老齢給付金は退職所得として退職所得控除の対象。(所得税の課税対象)

それでは、これまで見てきたポイントを過去問で確認してみよう。

過去問にチャレンジ

問題 7
確定拠出年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.企業型年金において、加入者が掛金を拠出することができることを規約で定める場合、加入者掛金の額は、その加入者に係る事業主掛金の額を超える額とすることができない。
2.企業型年金を実施していない企業の従業員である個人型年金の加入者は、原則として、その加入者に支払われる給与からの天引きにより、事業主を経由して掛金を納付することができる。
3.国民年金の第1号被保険者が、国民年金基金と併せて個人型年金に加入した場合、毎月支払う掛金の拠出限度額は、国民年金基金の掛金との合計で7万円である。
4.老齢給付金を年金で受け取った場合、当該給付金は雑所得として所得税の課税対象となり、雑所得の金額の計算上、公的年金等控除額を控除することができる。

2022年5月試験 2級学科試験

正解:3

1 正しい。
2 正しい。会社員等の個人型年金の第2号被保険者は、「個人払込」と「事業主払込」のいずれかの方法により掛金を納付する。
3 6万8000円である。
4 正しい。

参考文献)’22~’23年版 最短合格2級FP技能士(きんざい)、史上最強のFP2級AFPテキスト22-23年版(ナツメ社 )、うかる! FP2級・AFP 王道テキスト 2022-2023年版 (日本経済新聞出版)