今回のテーマは、「総合福祉団体定期保険の一般的な特徴」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)問題12

《問12》 総合福祉団体定期保険の一般的な特徴に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。

(a) 総合福祉団体定期保険の保険期間は1年から5年であり、保険期間が長いほど、毎年の保険料は割安となる。
(b) 総合福祉団体定期保険の保険料率は、被保険者の年齢に応じて保険料が算出される「年齢群団別保険料率」が適用されるため、被保険者の年齢に関係なく同一の保険料となる「平均保険料率」に比べて割安となる。
(c) ヒューマン・ヴァリュー特約を付加するためには、被保険者になる者の署名、押印のある個々の同意書および医師の診査が必要となる。
1) 1つ
2) 2つ
3) 3つ
4) 0(なし)

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)

正解:4)

それでは、各肢を検討していこう。
2023年5月実施の問題は、2022年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

(a) 誤り。

総合福祉団体定期保険とは
法人の役員・従業員の遺族の生活保障を目的とし、法人の定める福利厚生規程(弔慰金・死亡退職金規程等)の円滑な運営に利用する保険期間1年の団体保険である。
(参考)東京海上日動あんしん生命のウエブサイト

したがって、保険期間は1年から5年ではない。

(b) 誤り。

総合福祉団体定期保険では、団体定期保険固有の保険料率である、平均保険料率が適用される

なお、平均保険料率とは、性別、年齢別の保険料率に基づいて被保険者ごとに計算した基準保険料の合計額から被保険者の数に応じた保険料割引額を控除した金額を、保険金額の総額で除した保険金額1万円あたりの保険料をいう。

したがって、「年齢群団別保険料率」が適用されるのではない。

(c) 誤り。

ヒューマン・ヴァリュー特約では、役員・従業員の死亡または、高度障害による法人の経済的損失を保障するために、死亡保険金は法人に支払われる。

総合福祉団体定期保険の加入は、一般的に医師の審査は不要で、告知書扱い(保険約款に基づく簡易な告知)である。
ただし、ヒューマン・ヴァリュー特約を付加する場合には、被保険者になる者の署名・押印のある個々の同意書が必要である。

したがって、ヒューマン・ヴァリュー特約を付加するためには、被保険者になる者の署名、押印のある個々の同意書が必要である。