今回のテーマは、「借地借家法」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2022年度9月実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験 (2022年度9月実施)

問題 44
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第38 条による定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。 また、記載された特約以外のものについては考慮しないものとする。

1.普通借家契約において存続期間を1年未満に定めた場合、その存続期間は1年とみなされる。

2.期間の定めがある普通借家契約において、賃借人は、正当の事由がなければ、賃貸人に対し、更新 しない旨の通知をすることができない。

3.定期借家契約は、もっぱら居住の用に供する建物に限られ、事業の用に供する建物については締結 することができない。

4.定期借家契約において、その賃料が、近傍同種の建物の賃料に比較して不相当となっても、賃貸借 期間中は増減額させないこととする特約をした場合、その特約は有効である。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験 (2022年度9月実施)

正解:4

それでは、各肢を検討していこう。なお、法令等は、2022年10月1日現在で施行されているものに基づくものとする。

1 誤り。

普通借家契約において、1年未満の期間を定めると期間の定めのない契約となる。

2 誤り。

普通借家契約において、賃借人(借主)は、3か月前までに申し入れすれば、正当な理由がなくても契約を解除できる。

3 誤り。

定期借家契約において、利用目的は特に制限なく、居住用のほか、事業用でも可能である。

4 正しい。

定期借家契約は、書面で契約する。そして、賃料増減請求権(借地借家法第32条)を排除することが可能である。(借地借家法第38条9項

(借賃増減請求権) 第三十二条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
(略)

(定期建物賃貸借) 第三十八条 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
(略)
9 第三十二条の規定は、第一項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない

借地借家法・e-Gov

(参考)うかる! FP2級・AFP 王道テキスト 2022-2023年版(日本経済新聞出版 )、史上最強のFP2級AFPテキスト22-23年版( ナツメ社 )