今回のテーマは、「一般的な投資信託の分類方法」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2022年度9月実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2022年度9月実施)問題 22

問題 22
一般的な投資信託の分類方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.組入れ資産のほとんどを債券が占め、株式をまったく組み入れていない証券投資信託であっても、約款上、株式に投資することができれば、株式投資信託に分類される。

2.契約型投資信託は、委託者指図型と委託者非指図型に大別され、委託者指図型投資信託は、投資信託委託会社(委託者)と信託銀行等(受託者)との信託契約により、委託者の運用指図に基づいて運用される投資信託である。

3.単位型投資信託は、投資信託が運用されている期間中いつでも購入できる投資信託であり、追加型投資信託は、当初募集期間にのみ購入できる投資信託である。

4.パッシブ型投資信託は、対象となるベンチマークに連動する運用成果を目指して運用される投資信託である。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2022年度9月実施)

正解:3

それでは、各肢を検討していこう。なお、法令等は、2022年10月1日現在で施行されているものに基づくものとする。

1 正しい。

投資対象による分類

公社債投資信託 公社債を中心に運用。株式の組み入れはできない

株式投資信託 株式の組み入れが可能。株式が入っていないものもある。

2 正しい。

投資信託は、その設立の仕方によって、契約型会社型(投資法人)に分けられる。さらに、契約型の投資信託は、委託者指図型委託者非指図型に分けられる。このうち、委託者指図型投資信託は、販売会社が投資家から集めた資金を、委託会社が投資信託契約を結んだ受託会社で保管し、委託会社が受託会社に運用の指示をすることで運用される。

契約型投資信託

3 誤り。

購入時期による分類

追加型 いつでも購入できる投資信託のこと。

単位型 最初の募集期間にしか購入できない。

4 正しい。

運用手法による分類

バッシブ運用 「ベンチマーク」に連動した運用を目標とする。

アクティブ運用 「ベンチマーク」を上回る運用を目標とする。

ベンチマーク(Benchmark)とは、投資信託などが運用の指標としている基準のことです。多くの場合、投資信託が投資対象とする商品や市場の各種指数が用いられます。例えば、日本株式に投資する投資信託であれば、TOPIXや日経平均株価などの指数がこれに当たります。
指数はその市場や商品の平均値を表すことが多いため、投資信託のベンチマークとして採用されやすいのです。投資信託の目論見書や運用報告書などに、ベンチマークの指定がされているものもあります。

SMBC日興証券株式会社のサイトより