今回は、「任意の自動車保険」を取り上げる。過去問でも問われた頻出論点をみていこう。
対人賠償保険
- 他人(家族以外)を死傷させた場合、自賠責保険で支払われる金額を超える部分のみを補填
- 酒酔い運転、無免許運転(免許失効中も含む)による事故も補償
- 本人・配偶者・父母・子が被害者の場合、保険金は支払われない
- 保険金の額は無制限にできる
対物賠償保険
- 他人(家族以外)の物を壊した場合、損害額を補填
- 本人・配偶者・父母・子の財物は補償されない
- 酒酔い運転、無免許運転(免許失効中も含む)による事故も補償
- 保険金の額は無制限にできる
車両保険
- 衝突、接触、爆発、盗難などの事故による車両損害等に対する補償
- 「一般条件」の場合、他車との衝突、盗難、火災、台風による洪水や高潮のほか、単独事故、当て逃げによる損害は、いずれも補償されるが、「車対車+A」(エコノミー型)などの補償範囲限定タイプは、一般に単独事故、当て逃げは補償されない
- 地震、噴火、津波による損害は、特約がなければ、補償されない
人身傷害補償保険
事故で死傷したり、後遺障害を被った場合、示談を待たずに、自分の過失部分も含めて、保険金額を限度とする損害額の全額が過失相殺されず自分の保険会社から支払われる。
それでは、これまで見てきたポイントを過去問で確認してみよう。
過去問にチャレンジ
問題 16
任意加入の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
1.対物賠償保険では、被保険自動車を運転中に、父の自宅の車庫に誤って衝突して車庫を損壊させた場合、補償の対象となる。
2.対人賠償保険では、被保険自動車を運転中に、対人事故を起こした被保険者が法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険等によって補償される部分を除いた額が補償の対象となる。
3.人身傷害保険では、被保険者が被保険自動車を運転中に起こした交通事故で死傷した場合、被保険者の過失割合にかかわらず、当該損害額が保険金額を限度として補償の対象となる。
4.一般条件の車両保険では、被保険自動車が洪水で水没した場合、補償の対象となる。
2022年5月試験 2級学科試験
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