今回のテーマは、「農地法」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2022年1月23日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2022年1月23日実施)《問38》

《問38》 農地法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) 個人が農地の所有権を相続により取得した場合、当該権利を取得したことを知った時点からおおむね10カ月以内に、農業委員会にその旨を届け出なければならない。
2) 市街化区域内にある農地を他の農業者に農地として譲渡する場合、都道府県知事等の許可を受ける必要はなく、あらかじめ農業委員会に届け出れば足りる。
3) 市街化調整区域内の農地を駐車場の用地として自ら転用する場合、都道府県知事等の許可を受ける必要はなく、あらかじめ農業委員会に届け出れば足りる。
4) 市街化区域内にある農地を物流倉庫の用地として転用する目的で譲渡する場合、その面積が3,000㎡以上のものは都道府県知事等の許可を受けなければならないが、3,000㎡未満のものは、あらかじめ農業委員会に届け出れば足りる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2022年1月23日実施)

正解:1

それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2021年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

1 正しい。

個人が農地の所有権を相続により取得した場合、当該権利を取得したことを知った時点からおおむね10カ月以内に、農業委員会にその旨を届け出なければならない。

2 誤り。

市街化区域内にある農地を他の農業者に農地として譲渡する場合、農地法3条の対象となり、農業委員会の許可を受ける必要がある。

3 誤り。

市街化調整区域内の農地を駐車場の用地として自ら転用する場合、農地法4条の対象となり、都道府県知事等の許可を受ける必要がある。

なお、市街化区域内の農地の特例として、あらかじめ農業委員会に届出をすることで、都道府県知事等の許可は不要となる。

4 誤り。

市街化区域内にある農地を物流倉庫の用地として転用する目的で譲渡する場合、農地法5条の対象となり、面積にかかわらず、あらかじめ農業委員会に届出をすることで都道府県知事等の許可は不要となる。