今回のテーマは、「ポートフォリオ理論」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)問題28
問題 28
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となる。
2.ポートフォリオのリスクのうち、分散投資によって消去できないリスクをアンシステマティック・リスクという。
3.ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。
4.国債や社債のうち、発行時に将来の利息支払額が確定する固定利付債券は、すべて安全資産(無リスク資産)に分類される。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)
2023年9月実施の問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿の正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
なお、本テーマはこれまでにも取り上げている。↓
FPトピックス(ポートフォリオ理論)
1 正しい。
ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となる。
2 誤り。
ポートフォリオのリスクのうち、分散投資によって消去できないリスクをシステマティック・リスクという。
3 誤り。
ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率をポートフォリオの組入れ比率で加重平均したものである。
ポートフォリオの組入れ銘柄数を増やしても、ポートフォリオの期待収益率が組入れ銘柄の期待収益率の加重平均を上回ることはない。
4 誤り。
損失の発生しない10年ものの国債(長期国債)のほか、金融機関1つにつき1000万円以下の普通預金や現金なども無リスク資産となる。
社債は、社債発行企業などが倒産した場合などには、当該社債の元本や利息の支払いが行われない場合があり、これを「信用リスク」という。元本が保証されていないため、安全資産とはいえない。