今回のテーマは、「不動産の登記と調査」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)問題41
問題 41
不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.抵当権の登記の登記事項は、権利部乙区に記録される。
2.区分建物を除く建物に係る登記記録において、床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(壁芯面積)により記録される。
3.新築した建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1ヵ月以内に、所有権保存登記を申請しなければならない。
4.登記情報提供サービスでは、登記所が保有する登記情報を、インターネットを使用してパソコン等で確認することができるが、取得した登記情報に係る電子データには登記官の認証文は付されない。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)
2023年9月実施の問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿の正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
なお、本テーマについては、これまでに扱っている。↓
1 正しい。
不動産登記記録の構成
不動産登記記録は、表題部と権利部(甲区・乙区)から構成されている。
不動産登記は、土地は一筆ごと、建物は一個ごとに記録される。データ化されて登記所(法務局)に備えられている。
表題部
登記義務あり※
土地(登記原因、所在、地番、地目、地積など)
建物(登記原因、所在、家屋番号、種類、構造、床面積など)
※所有権を取得してから1か月以内に所有者が申請しなければならない。
権利部
登記義務なし※
甲区(所有権に関する事項(差押も含む))
乙区(所有権以外の権利に関する事項(抵当権、賃貸権など))
- ※2024年4月1日以降は相続登記が義務化される予定。
- 土地登記の地番、建物登記の家屋番号は、必ずしも住居表示と一致しない。
2 正しい。
区分建物を除く建物(一戸建て等の建物)に係る登記記録において、床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(壁芯面積)により記録される。
なお、区分建物(マンション等)の専有部分に係る登記記録において、床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積(内法面積)により記録される。
3 誤り。
肢1の解説を参照。
新築した建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1ヵ月以内に、建物の表題登記を申請しなければならない。
4 正しい。
登記情報提供サービスは、登記所が保有する登記情報をインターネットを使用してパソコンの画面上で確認できる有料サービスである。登記情報はPDFファイルで提供される。
なお、登記事項証明書と異なり、証明文や公印等は付加されない。
(参考)サービス概要(登記情報提供サービスのウェブサイト)